氷室裕2004



「もー今日くらい早く帰ってきてよね」

毎日の小言

「あぁ努力するよ」

俺はそう答えるしかできない

「そればっかりなんだもん」

そうなんだけど





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− これ日々日常なり −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「そんなに怒るとしわ増えるぞおまえ」 つい口に出てしまう 「!!そんな年じゃないもんっお父さんのばかぁっっ」 「………小姑みたいだな」 「なんか言った?」 「いんや、いってきます」 「・・・いってらっしゃい 誕生日おめでと・・・」 「おー」 「プレゼント、なんかいる?」 「………もうもらった」 「なにそれ」 いいんだよ、わかんなくて これは俺だけがわかるプレゼント かわいい娘に毎朝送り出されて たまに怖いけど かみさんと同じくらい、いやそれ以上に大切な存在におめでとうなんて声かけて もらえば それは幸せという名のプレゼントじゃないか? 「いってきます」 その小さな頭にぽふっと手を乗せれば、くすぐったそうに目を細めて 「なにそれ」 同じ言葉をかけられて ………何年経っても変わらずにいられたらなと 「いってらっしゃい」 あきれた表情をして、 けれどにっこりとほほ笑まれ 俺は今日という日常であり特別でもある非日常な1日を歩きだす 少しずつ大人になっていくおまえの姿を見るのが 毎年のプレゼント それはお前の誕生日でも感じることだけどな 俺が進む日常の先にお前がいてくれれば今は何も特別にはいらない −−−fin 10月18日

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送