諏訪高貴2004
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君へ
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すまなかったね君
今でも夜うなされることがある
清涼のしずくだったよ君
でもその君に手を掛けて
ああするしかなかったんだよ、お前を
お前の存在が怖かったんだ
そして君
どうして同じ目をして、疑いもなく
けれど君
君がいてくれることによって今という日常が作り出されているよ
わがままかもしれないが、まだ君を手放せないんだ
神よ…
どうかこの時間が少しでも長く続くようにと、私が願うことは許されるのだろうか
毎年巡るこの日に虚無と、かすかな期待が飛来する
願わくばすべてのことがらを白に
慈悲深きあなたはきっとこういうのでしょうね
すべてを悔い改め、そして自分の生まれた日に感謝しなさい。
「先生?お茶おいれいたしましたよ」
振り向くとそこにはお茶と煎餅
そして君の笑顔
悪いな
もう少しだけ付き合ってほしいんだ
その笑顔に罪の意識をそっと委ね、そしてまた鈍色へと染める
毎年ここで…
−−−fin 8月7日
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